富士フイルム:インクジェット工場に投資

富士フイルムのイメージングカララント子会社であるFFICは、米国デラウェア州ニューキャッスルにある既存のインク生産施設を拡張して、水性インクジェットインク用の顔料分散体の生産工場を新設します。
米国デラウェア州ニューキャッスルにある富士フイルムイメージングカララント社の建物の受付。

顔料分散液は、インク全体に色を均一に分散させるために使用され、通常 100nm程度の個々の粒子が集まってプリントヘッドのノズルを塞いでしまうことを防ぎます。

富士フイルムは、Reactive Dispersant(RxD)と呼ばれるタイプの顔料分散液を使用しており、顔料粒子に吸着したポリマー分散剤を架橋しています。この分散剤が顔料からの脱離を防ぎ、非常に安定した分散液を作ることができるとのことです。

富士フイルムは、この RxD分散液を自社インク用と他のインクメーカー用の両方で製造しています。FFIC Inc.の社長兼 COOであるイアン・ウィルキンソンは次のように述べています。「RxDは、現在および次世代の水性インクジェットインクにとって重要な技術です。」

これまで RxD技術は、英国スコットランドにある FFIC社のグランジマス工場のみで開発・製造されていたため、今回の新工場建設は、生産能力の拡大と供給体制の強化を目的としています。米国のニューキャッスル工場と英国のグランジマス工場を含む FFICの事業は、2006年 2月に富士フイルムが 2億 6,000万ドルで買収するまで、バイオテクノロジー企業である Avecia社に属していました。

ウィルキンソンは次のように述べています。「製造能力の拡大は、グローバルな顧客基盤をサポートするための需要増に確実に対応するための取り組みの一環です。当社はすでに英国で高品質で高純度の製品を製造しています。今回の事業では、英国チームの設計およびプロジェクト管理の専門知識を活用して、米国でこのプロジェクトを遂行します。これに加えて、専門的な知識、技術、プロセスを活用することで、両拠点で同じように優れた水準の RxD分散液を製造することができます」。

新社屋は 4月に着工し、来年までに完成する予定です。費用は約 1,900万ドルを見込んでいます。富士フイルムのインクの詳細については、fujifilm.comをご覧ください。

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