ソ連国歌とロシア国歌

ソ連、ソビエト連邦、正式には「ソビエト社会主義共和国連邦」という国をご存じの方は、もうロートルなのかもしれません。「1922年から1991年までユーラシア大陸北部に存在した社会主義国家(Wikipedia)」なので、崩壊してから 31年経っており、そのイメージをちゃんと記憶している年代は 50歳くらい以上なんだろうと思います。

アメリカを盟主とした西側資本主義陣営、それに対抗する形で存在した東側社会主義陣営の盟主だったわけですが、その歴史や、我々世代の思い入れを書き始めると、とても複雑で収拾がつかなくなりそうなので、今回はその「国歌」に絞って簡単にご紹介します。

元の旋律は、1938年に作曲された「ボリシェヴィキ党歌」で、時代の空気を感じさせる勇壮なメロディで、好き嫌いはあるでしょうが、結構ズシンッと響く曲です。1943年まではインターナショナルがソ連国家として使われてきましたが、1944年からはボリシェヴィキ党歌の歌詞を変更したものが国歌として制定されました。(日本語 Wikiによる解説)。

なお画像の「若い男女が希望に満ちた明るい顔で斜め上を見上げている」モチーフは、社会主義国家のプロパガンダポスターの典型的イメージです。

ソ連崩壊に伴い、変更された国歌です。使われたのは 1990年から 2000年までの間と短命に終わりました。

前の国歌がイマイチ不評だったようで、2000年からはまた元の旋律に、歌詞を変更したものが国歌となりました。これはプーチン大統領の肝いりです。Wikipedia(ロシア連邦国歌の項)にはこうあります「エリツィンにかわって大統領となったウラジーミル・プーチンは、共産党への懐柔及び「強いソ連」の時代と「現代ロシア」のイメージを重ね合わせた「強いロシア」を強調して国民の人気を得るべく、2000年末にソビエト連邦国歌のメロディを復活させる国歌法を制定した。こうして、ソビエト連邦国歌は、ロシア連邦国歌として復活した。大国に相応しい荘厳なメロディーの国歌の復活は多くの国民に歓迎された。」 今、プーチンの頭の中にはこれが鳴り響いているのでしょう。

参考までに:1938年に作曲された「ボリシェヴィキ党歌」(メロディの「元歌」です)
日本語 Wikiによる解説

1943年まで国歌として使われたインターナショナル(ロシア語版)、これもちょっと「グッとくるメロディ」です。
日本語 Wikiによる解説

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