ウクライナ:ロシアと停戦交渉は日本時間で本日午後から

昨日、こちらを書いていたら「ウクライナ:ロシアとの交渉に合意」「プーチンが核兵器を警戒モードにと指示」という二つの緊急ニュースが入ってきました。すでに報道されていますが、ドイツの公共放送 ARDのニュースサイト Tagesschauからその後の記事も含め、この関連をいくつか拾っておきます。画像も Tagesschauからの借用です。

交渉は日本時間で本日午後から(現地時間の朝から:日本とは7時間の時差なので15時ごろですかね・・・)とされていますが、ゼレンスキー大統領一行の交渉団がキエフから約 200kmを北上する必要があるのでもう少し遅いかもしれません。

私の予想は「交渉は物別れ」です。ウクライナ側は「ウクライナは降伏も領土の一部の譲渡も行わないことを強調」しています。残るは NATOに加盟しないとか、加盟したとしたとしても戦力は配備しないとかいう部分ですが、旧ソ連時代の領土までの「失地回復」を狙うプーチンが受け入れるはずはありません。「美しいキエフをプラハのように美しいまま残したいか?ワルシャワのようにボロボロにされたいか?ヒロシマにすることも可能だ!」とかなんとか言うのでしょう。

この場合、戦争は続き、双方に犠牲者は増え続けますし、ウクライナの都市の破壊は益々進みます。ただ、だからと言ってここで「無条件降伏・武装解除・指導部総辞職」などしたら、これまでの犠牲は何だったのか?ということになります。ロシアは交渉中は停戦したとしても、決裂した瞬間から攻撃を再開するでしょう。

今度は、攻撃レベルをエスカレーションさせて制圧部隊を送り込み、さらに残虐な兵器を使って破壊と殺戮を進めるでしょう。核兵器(戦術核)は使わないと思います。2014年のクリミア侵攻時にも核兵器に言及しましたが、もちろん使うことはありません。

では、どこで手を打つのか?戦争はどんな形で終わるのか?・・・いずれにしてもこの戦争は兵力差でロシアが勝利します。欧米からの武器供与は焼け石に水程度で、ウクライナ全土の前線に簡単には届きません。通常兵器でもかなりな大量破壊する兵器をロシアに使わせておいて、その残虐さを世界に見せつけておいて・・・頃合いを見計らって、彼は丸腰で表に出て「ロシア軍に発砲させ、英雄として死ぬ」のではないかと思います。決して「降伏した」とは言わないまま・・・リーダーを失ったウクライナは間もなく制圧されます。

彼は「どの道、死ぬことになるならば、自分の命の価値をウクライナの為に最大限高めてから」ロシア軍に、SNSで中継させて、残虐に殺される道を選ぶと思います。

また、その前に「ロシアの交渉団が何を言ったか」を全世界に公開し、その理不尽さをさらに印象付けることもやるでしょう。そして降伏しなかったウクライナをロシア軍が制圧したところで、事前に仕掛けておいた「封じ手」が開封され、そこには遺言として正当な後継者の名前と政権委譲(亡命政権として)する旨が書かれているのです。

プーチンが、ゼレンスキー大統領亡き後の閣僚達と、その後のプロセスを進めようとしても閣僚達にはその権限がありません。それでもプーチンは傀儡政権を立てるとか、国家を解体して州にしてしまうとか・・・いろいろやるのでしょうか、それらは全て正統性・正当性がない行為となり国際社会から囂囂の非難を浴びることになります。そのうちに欧米が課した(遅ればせながら日本も乗った)経済制裁がロシアを徐々に窒息させていき、プーチンの政権は揺らぎます。

経済だけでなく、すでに FIFAが「ロシアでは国際試合を開催しない」旨を宣言しており、他のスポーツや芸術のイベントから、ロシアは全て締め出され、また欧米がロシア便の運航を止め、ロシアの民間機に欧州内での飛行を禁じたことで出国もできなくなります。列車で出国したとしてもルーブルは暴落しており、実質的にロシア国外にでることは難しいでしょう。

ロシア国内でも暴落したルーブルで輸入品の物価が高騰し、その前に SWIFTから除外されているので輸出入の決済が出来なくなっているので物不足も深刻になり、ますますインフレは進むでしょう。クリミア以降の経済制裁を機に自給自足できるようにしたとは言いますが、食料は出来たとしても、一旦欧米レベルの生活に慣れたロシア人が、それで満足するでしょうか?これも「討幕運動」のパワーとなるはずです。

ゼレンスキー大統領は、物理的に戦争に勝ったプーチンが実は敗者となる・・・こんな構想を描いていると思っています。

ウクライナ、交渉に合意
ステータス:2022年02月27日 17時15分

ウクライナはロシアとの和平交渉に合意した。代表団はウクライナとベラルーシの国境で合流する予定です。ウクライナのセレンスキー大統領府によると、条件はない。ウクライナはロシアとの交渉に合意している。ウクライナのヴォロディミル・セレンスキー大統領府は、ロシアとウクライナの代表団がウクライナとベラルーシの国境で会談することを発表した。特に条件はなかった。チェルノブイリ近郊のプリピャチ川で予定されていた会談は、セレンスキー氏が電話で話したベラルーシのルカシェンコ大統領の計らいによるものだと言われている。ウクライナ大統領府によると、ルカシェンコはウクライナ代表団が到着している間、ベラルーシに駐留するすべての飛行機、ヘリコプター、ミサイルを接地させる責任があるとのこと。

ロシア代表団(ゴメル市)
その後、ロシア代表団がベラルーシのゴメルに移動し、キエフと調整した。ロシアの代表団は、準備ができたと言っていた。クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、「ロシア側と現地のロシア代表団は、交渉の準備を完全に整えている」と述べた。モスクワは当初、キエフに午後 3時(中央ヨーロッパ時間午後 1時)までの最後通牒を出し、それ以降は退去すると発表していた。ベラルーシ国営通信 Beltaが報じたように、ルカシェンコはその後、ロシアのプーチン大統領との電話会談で、ロシア代表団を当初の予定より長くゴメルでウクライナ人を待つように提案したのである。(大野註:強面のロシアと、とりなし役のルカシェンコで役割分担して猿芝居)

ウクライナの交渉合意が知られるようになると同時に、プーチンは核兵器を含む自国のいわゆる抑止力を警戒態勢に入れたいとの意向を表明した。ウクライナのドミトリー・クレバ外相は、これをウクライナへの圧力行使の手段であると述べた。クレバ氏は記者団に対し、「今回の発表は、ウクライナ代表団にさらなる圧力をかけようとしているものと見ている」と述べた。”しかし、我々はこの圧力に屈しない” ウクライナはロシアの立場に耳を傾ける用意がある、とクレバは言った。”そのうえで、私たちの考えを伝える。同大臣は、ウクライナは降伏も領土の一部の譲渡も行わないことを強調した。万が一、ウクライナに核兵器が使用された場合、「その時、私はシンプルなメッセージを伝える。 全世界に禍根を残すことになる」と。


「抑止力」警戒態勢
更新日時:2022年2月27日 19時11分
ロシアのプーチン大統領は、同国のいわゆる抑止力を警戒態勢に移している。これには核兵器も含まれます。理由はNATOの「攻撃的な行動」です。ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ戦争をめぐる西側諸国との緊張の中で、自国の「抑止力」に警戒態勢を敷いた。彼は、トップアドバイザーとの会合で発表した。これらのいわゆる抑止力には核兵器も含まれる。

00:48 マサラ:「プーチンは追い詰められている」。
カルロ・マサラ(カルロ・マサラ(ミュンヘン連邦軍大学教授))は、ロシアのウクライナでの攻勢は、クレムリンの予想よりはるかに悪い方向に進んでいると考えている。「同時に、ロシアの核戦力の警戒が強化されているのが、核戦争を心配する必要はない 」と強調した。これはすでに一度、「すなわち2014年、プーチンがクリミアを併合したとき」に起きていた。今の動きは、欧米のウクライナ支援を抑止し、ロシアを経済的・政治的に孤立させることを目的としている。

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