武藤工業:米国インクメーカー STS社と提携して DtFプリンターを開発

武藤工業は、STS Inks社と提携し、Tシャツやアパレル市場をターゲットにした STS Modular Direct to Filmシステムを開発しました。

This STS direct to film garment solution is based around a Mutoh desktop inkjet printer.
この「STS Modular Direct to Film」は武藤のデスクトップ型インクジェットプリンターをベースにしたガーメントソリューションです。

ダイレクト・トゥ・ガーメントではなく、フィルムにプリントする利点は、DtGプリンターが通常、前処理された綿に限られるのに対し、未処理の綿、シルク、ポリエステル、デニム、ナイロン、レザー、50/50ブレンドなど、幅広い素材に対応できることです。さらに、DtFプリントは白地と濃地の両方に対応しており、仕上げもマットとグロスの 2種類から選べるのも魅力です。

ただし、プラスチックフィルムを貼り付けるため、生地の風合いが損なわれてしまうので、小さいロゴの場合は、用途に応じて使い分けた方が良いと思います。

STSシステムでは、630mm幅のデスクトップ用インクジェットプリンター「Mutoh ValueJet 628D」に DTFインクを採用しています。武藤ヨーロッパのマネージングディレクター、高津光雄氏は次のように説明します。「日本の研究開発チームが、DTFのニーズに合わせて基本シャーシを改良し、白インクの噴射にも対応しました。」

このプリンターは、片面コーティングされた PETフィルムにロゴやアートワークを印刷するために使用します。このソリューションには、STS自動 TPU接着剤パウダーシェーカーが含まれています。これは、軽量のパウダー接着剤をアートワーク全体に均等に分散させ、フィルムを布地に転写するためのものです。このユニットには、パウダーをフィルムに結合させるための赤外線加熱機能もあります。

STS Inks社は、ホットメルト接着剤も提供しています。これは、グラフィックをテキスタイルに接着すると同時に、ある程度の柔軟性を持たせることができます。最大 40回以上の洗濯に耐え、最大限のカバー力と高い転写率を実現しています。

また、STS社は独自の PETフィルムを販売しています。このフィルムは、プリンターのローラーの牽引力を最適化し、静電気を最小限に抑えることで、背景に影響を与えない高品質なプリント画像を実現することができるといいます。 このフィルムは、熱プレスの高温・高圧に耐えるように製造されています。

パウダーシェイカーの代わりに、カットシートプリントやロールツーシートプリントに対応した STS Transfer Film Curing Ovenを選択することができます。このオーブンは 150℃で動作し、58.42cm × 48.26cmまでのフィルムを硬化させることができ、硬化が完了するとアラームが鳴るタイマーを備えています。

SAi Flexi RIPソフトウェアは、ユーザーがカスタムカットラインの名前や色を定義でき、RIPしながらの印刷をサポートします。また、マルチレイヤーの Adobe IllustratorやPDFファイルにも対応しており、複数のジョブに分割して、白やニスなどのスポットカラーとして処理することができます。

しかし、このシステムの鍵となるのは STSインクであり、高濃度、広色域、高彩度を実現するということです。 これはエプソンのプリントヘッド用に開発された水性インクで、CMYKとホワイトの 2種類があります。

1999年に STS Inks社を設立した Shahar Turgeman氏は、「DTFに不可欠な各コンポーネントのフットプリントを小さくし、ユーザーフレンドリーなソフトウェアプログラムを導入し、最高品質の消耗品をバンドルして、STS DTFシステムを低価格で提供するとともに、今日の市場で入手可能なものよりも性能を向上させています」と語ります。

STSヨーロッパが率先して販売していますが、ヨーロッパでは武藤の販売網を通じて販売されます。詳細は mutoh.eu または stsinks.eu をご覧ください。

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