ドイツ放浪記(104):ウィーンの街歩き(12)

カール・マルクス・ホーフの裏手には鉄道のハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)駅がある。あの大作曲家ベートーヴェンが夏になるとウィーンの郊外で過ごした場所で、交響曲第6番「田園」はそのあたりの情景描写とされている。駅の周辺にはその面影は残ってはいないが、少し歩くとベートーヴェンの記念館がある。

建物のディテールの部分を少しアップしておきます。

日本語 Wikipediaによれば「各住戸は平均 50 m2ほどで狭いが、敷地内に共同の浴場、洗濯場、保育園、スポーツ場などがある」とされている。今の基準からすれば少し狭めに思えるが、「当時のウィーンの労働者用アパートの平均面積は 20m²で、労働者階級の家族の 58%が自分のベッド(まくら)を持っていなかった」という実情からすれば夢のような広さだったのだろう。実際、BABYLON BERLINというワイマール共和政時代のベルリンを舞台にした映画で、ヒロインのシャルロッテのアパートがまさにそんな狭さである。

50 m2という狭さを補完するため、共同浴場・共同洗濯場・公園・幼稚園などの共用施設が充実しているのも特徴である。下の写真は「WASCHSALON」という共同浴場・共同洗濯場の入り口であるが、今は当時の状況を展示する博物館として使われている。次回はその中をご紹介する。

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