菅首相の退陣

菅首相が実質的に退陣表明をしましたね。就任した時も、退陣表明に追い込まれた時も、なにやら背後に不透明な力学を感じざるを得ませんでしたが、まあそこはさておき・・・

まあ、いろいろな批判はありますが「コロナ対応が後手後手に回った」というのがボディブローのように効いてきて、結局何も有効な手を打っていないという印象が臨界点を超えてしまった・・・という感じでしょうか。

1年半前、まだ第一回目の緊急事態宣言が出るもっと前の3月に「コロナウィルスの今後:苦しい長期戦は必至、そしてその向こうにあるものとは?という記事を書きました。経済対策と感染対策という二律背反の施策を打たざるを得ない訳で、それは、ワクチンが行き渡るまでは「過熱したら規制で冷まし、冷えすぎると緩和して温める」という「サーモスタット・オペレーション」にならざるを得ないだろうと書きました。

概ね、その時に予想した通りになっているわけで、加えてデルタ株のような変異株が想定を上回る速度で蔓延して・・・そうでなくても後手後手に回っている施策を、更に無為無策とまで見せる結果となった・・・これを菅首相一人の責任にするのはちょっと気の毒かと思います。誰がやっても、大変だったんだろうと思います。

ちなみにウェブにアップされている立憲民主党のコロナに関する政策(立憲民主党のzeroコロナ戦略)は、本日 9月 5日時点で、デルタ株が問題になる前の「2021年6月10日改訂」というのがアップされているのが最後で、この3か月間更新はありません。

自民党内の総裁選=次期首相の候補の茶番には関心がありません。また、その後の総選挙で「コロナ対策が後手後手に回ってきた」という印象の与党と、「デルタ株が蔓延してもまだコロナ政策を3ヶ月前のままにしている」野党の戦い・・・そこには、この衰退モードに入った感のある日本を上向きにする解は無いように思われるのです。学術会議を御用学者集団にしたい与党と、研究開発を「2位じゃダメなんですか?」と宣う野党の間に解は存在すると思われますか?

最近の、この「日記的備忘録」に断片的に書いていますが「日本の大学の地位低下」「(恐怖政治にビビッて)議論や批判をしないメディアの体たらく」「有限責任マネージャーの蔓延はトップの責任」「右・左の戦いではなくて、医師会とか★★のような既得権益団体との闘い」・・・そういうことを長期ビジョンを描いて、描くだけではなく実行していくリーダーが求められていると思います。

菅首相退陣に際して、フランスの「ル・モンド紙」の日本特派員が感想を訊かれて・・・「いくつかの実務的な仕事はしたように見えた。でも国リーダーとしての国家観を感じたことは無かった。おそらくそういうのを持っていなかったのではないか?」・・・(ネトウヨがお得意の国家観という意味とは全く異なります。念のため)

次期首相はどなたがなって頂いても結構ですが、こういう見透かされ方をされないような、しっかりした方を期待したいものです。

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