- 2021-9-5
- 日記的備忘録
日独のメディアの違い (前編)からの続きです
続いてドイツの ARDという公共放送の報道を紹介します。これは Uli Hauckという記者(特派員)の署名記事です。ドイツ連邦防衛軍(Bundeswehr)も NATO軍の枠組みでアフガニスタンに駐留していましたが、その撤収の際のルポです。
「ドイツの官僚主義的な封鎖は、不必要にアフガニスタンの人々の命を危険にさらしています。この完全な失敗は、結果を出さなければならない。ドイツ連邦軍は、ドイツ政府のために火中の炭を抜いてくれました。
ウリ・ハウク(SR)による解説
カブールでの救出作戦は、ドイツ連邦軍の歴史上、最も困難で危険な避難作戦でした。合格しました。200人の男女が、連邦警察官や大使館員とともに、タリバンから一人でも多くの命を救うために、カブールで数日間、命を懸けて活動しました。
このような危険な任務が必要になったのは、ドイツ政府がここ数カ月の間に多くの誤算を犯し、何よりも行動を起こさなかったからである。ドイツの官僚主義的な妨害は、不必要に人々の命を危険にさらし、将来的にもアフガニスタン人の命を奪う可能性がある。これがドイツのアフガニスタン出兵のスキャンダルである。
例えばフランスのように、春から時間をかけて避難するのではなく、外務、防衛、内務省が何週間もお互いにブロックしている。ドイツ政府の完全な失敗であり、結果を出さなければならない。20年間の戦争努力が数日で台無しになったドイツ政府がここ数カ月でできなかったことの代償を、兵士たちはこの10日間で命をかけて払わなければならなかった。
兵士たちは、59人のドイツ兵が死んだことで、20年間の戦争の努力が数日で台無しになったことを目の当たりにした。この住宅ローンを念頭に、カブールの男女はそれでも人命を救った。右翼過激派のスキャンダルで非難されてきた Kommando Spezialkräfteは、その存在意義を示したと言えるだろう。
特別部隊は、人々を安全な空港に連れて行った。ドイツ連邦軍は、ドイツ政府のために火の中から炭を取り出した。極限状態で可能なことをやった。そのためには敬意を払うべきだが、しばしば否定される。ドイツ政府は、ドイツ兵士の「遺体袋」がまだドイツに戻っていないことが幸運である。選挙が行われ、メルケル首相の時代が終わりを告げる時が来た。
編集後記
コメントは常に各著者の意見を反映したものであり、編集部の意見ではありません。
—-以上、引用終わり(DeepL翻訳による素訳)—-
いかがでしょうか?コメントするまでも無いように思います。NHKのは署名記事ではなく、放送原稿で淡々と事象を並べている。ARDのは署名記事で、編集部の意見ではないとしつつ、個人の責任で書かれたコメントを堂々と掲載している。そこには忖度は無く、あのメルケル首相でさえバッサリ!ドイツとはいえ政府は後手後手とセクショナリズムが蔓延り、そこを斬りながら、そういう状況下で数十人の犠牲者を出しつつも大勢の人員を退避させた Bundeswehrの功績を評価している。
米国を初めとして、欧州(NATO)各国や日本・韓国が8月31日の撤退期限を迎える中で、BSの世界のニュースは熱量も放送時間も、もうアフガン一色!一方日本はパラリンピックと国内政治と日常の事件が主で、アフガンの報道の割合は他国のメディアと比べて非常に少ない。まして、政府に批判的な報道は殆ど見ない。自衛隊機と政府専用機を合計4機も飛ばして、対比させたのは日本人1名、アフガン人を14名・・・その多少ではなく、本来500人と想定していた人たちはどうなったのか?どうしているのか?パキスタンに運んだ14人のアフガン人はそこに置いて行くのか?
レームダックとなっている菅首相にこれ以上負担をかけては・・・という忖度でも働いたのか?レームダックという意味ではメルケル首相だって同じこと・・・最大の当事者国アメリカでは、バイデン首相がメディアの猛烈な批判に晒され辞任論にまで発展しています(・・・トランプ前大統領が虎視眈々と復活を狙っているようです。うひゃ!)・・・ということで、本質に斬り込まないで事象だけを並べているメディアって必要なんだろうか?