- 2018-10-6
- 事例紹介
ベルギー東部の、とある町にあるメンズ衣料品のブティックのショーウィンドウに気になるアイテムを見つけました。インクジェットプリントのシャツですね!一般の人は気が付かないと思いますが、俺の目は騙せないぞ(笑)
気になる値段ですが、この価格表の Chemises の €79.95(約10,000円強)がそれです。シミーズは日本語では女性用の下着を指しますが、元のフランス語ではシャツの意味です。ユニクロオヤジの基準からはやや高めですが、まあちょいとしたオシャレ着なら許せる範囲かなと思います(笑)
このブランド haupt というのはドイツのシャツのメーカーですが、コンセプトとして「メイド・イン・ヨーロッパ」に拘っています。
プリントのみならず、カッティングから縫製して仕上げるまで全てヨーロッパ内で行っているということです。インクジェットのプリントは多分北イタリアの某社(大野が知っている会社)、カッティングと縫製は、ロジスティックや品質管理を考慮して適地を選んでいると想像されます。ひょっとしたらドイツかも知れません。最近は移民・難民をかなり大量に受け入れているので、職種や仕事の内容によっては、ドイツや欧州も、必ずしも一般のイメージでの高賃金国ではない側面も出てきています。
これまで大量生産を前提としたアパレルの世界は、最も手のかかる縫製工程をより低賃国にシフトしていくという流れがメインでしたが、一部の高級品では、このようにデジタルテキスタイルを上手く取り込んで「メイド・イン・ヨーロッパ」に立ち返る動きが出てきています。高級品で突破口が出来れば、徐々に中級品にも広がっていくでしょう。
一方で安価な大量生産品というのは、いかんせん必要なものです。そういう普及品と中級品の境界がどのあたりで落ち着くのか…これは要注目と思います。