Koenig and Bauer:金属用インクジェットを開発中

2024年6月12日

Koenig and Bauer の子会社である MetalPrint は、パッケージングや装飾用途の金属印刷用に、2つの異なる  UV LED インクジェットシステムを開発している。MetalPrint は、MetalStar 4 や Mallander 280 などの従来の金属印刷ライン、および各種コーティング、乾燥、シート処理システムもすでに製造している。

これらのデジタルソリューションの第一弾が、MetJet Oneである。これは、デジタル印刷を金属装飾用の生産ラインに統合するものだ。最大1200 x 1000 mmのシートを取り扱い、コーティング済みのシートに印刷できるため、事前の処理が不要である。これは、モジュール式のシステムで、MetalPrintシート処理システムと Durstのインクジェット印刷ユニットを組み合わせたもの。これは、UV LEDインクとリコーのプリントヘッドを使用したマルチパス・スキャニング・システムである。CMYKに加え、ライトマゼンタとライトシアン、そして白も印刷でき、解像度は 900 × 1200dpi、毎時200枚の印刷が可能とのこと。

Koenig & Bauer MetalPrint のプロダクトマネージャー、Samuel Teufel 氏は次のように述べている。「このユニークなデザインにより、金属包装業界のお客様の柔軟性と印刷品質の要件を満たすカスタマイズソリューションを提供することができます」。

顧客は、MetalCoatコーティングマシン、画像やオーバープリントニスを確認するための検査搬送装置、シート排出用のシート管理システムなど、MetalPrintユニットをラインに追加することができる。

このラインは、2025年初頭にレイノルズ・サービス社(RSI)と共同で実地試験が行われる予定である。この機械は、米国ペンシルベニア州グリーンビルにある同社の本社に設置される予定。RSIは、さまざまな平鋼やブリキ圧延製品を製造している。RSIのCEO、ジョン・フランガキス氏は次のように述べている。「私たちは、Koenig & Bauer MetalPrint社と協力して新しい MetJet Oneに取り組めることを嬉しく思います。このデジタル印刷ソリューションにより、非常に短い期間でカスタマイズされた印刷を実現できると確信しています」。

MetalPrint社は、高速シングルパス印刷機である MetJet Proという2つ目のシステムも開発中である。しかし、Durst社はシングルパス UVシステムを持っていないため、MetalPrint社はイタリアの産業用インクジェット専門会社 Neos社に目を向け、両社はプロジェクトに関する意向書を交わした。

このシステムもリコーのプリントヘッドを使用するが、解像度は 600dpi。CMYKと白、オレンジと緑を印刷し、バイオレットも開発中である。インクは、間接的な食品接触に関する欧州規制に準拠する。

Neosソフトウェアと統合されたカメラシステムにより、インク滴の配置を監視し、正確な見当合わせと印刷品質管理を実現する。また、同じシステムがシート識別にも使用される。

MetalPrintは、シートのハンドリングとインラインコーティングを担当する。最大シートサイズ 1200 x 1000 mmを使用して、2500 spfの生産が可能で、組み込まれたコロナ放電前処理を使用する。Teuful氏は、将来の計画にはデジタルインラインコーティングも含まれると述べている。既存の MetalCoatコーティングマシンは、オーバーコートやニスをインラインで塗布するデジタルシステムのいずれにも使用できる。

MetJet Proはモジュール式システムなので、3ピース缶、王冠キャップ、クロージャーなどの生産を含む、さまざまな用途に合わせて構成することができる。

MetJet Proは 2025年半ばまでに顧客サイトに導入される予定だが、プロジェクトはまだ開発の初期段階にあるため、遅れる可能性もある。

Teufel氏は、MetJet Proは新製品の MetJet Oneと既存の従来型機械 MetalStar 4の中間に位置づける予定だと語っている。さらに、「当社のデジタルソリューションが、MetJet Oneで 580枚をオフセット印刷するよりもコスト効率が高くなるのは、どの時点かを見積もっています。MetJet Proの正確な数字はまだ出ていませんが、損益分岐点はかなり高くなるでしょう」と述べている。

MetalPrint システムに関する詳細は、 metalprint.koenig-bauer.com をご覧ください。

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