ドイツ放浪記(52):ポーランドの旧ドイツ帝国領

今回から暫くポーランドを放浪しますが、ターゲットエリアは旧ドイツ帝国領なので、タイトルは引き続き「ドイツ放浪記」とします。

↑↑ これは Bad Arolsenという街で見かけたものだが「DEUTSCHLAND UNTEILBAR(ドイツは分割できない)」とある。赤い部分全体は戦前のドイツ帝国領で、戦後処理の結果として、それはざっくり三分割された。よく「ドイツは東西に分割された」と書かれているが実際は三分割である。左側はドイツ連邦共和国(Bundesrepublik Deutschland:西独)となり、真ん中はドイツ民主共和国(Deutsche Demokratische Republik:東独)となった。

そして右側はポーランドに割譲された。上の画像での真ん中部分と右側の国境が所謂「オーデル・ナイセ線」でオーデル川・ナイセ川を東独とポーランドの国境としたのである。これにより、ポーランドは戦前の領土の東部を失った代償としてドイツ帝国のオーデル・ナイセ川以東の部分を与えられ、国全体が西にシフトした形となった。

もう少し正確にいえば、右端の飛び地(Ostpreussen:東プロイセン)の南半分はポーランドが、北半分はソ連が獲得した、↑↑ 上のポーランドの国境の変遷図で「Gdanskから東に伸びる赤い線が妙に真っすぐになっている」のに気づかれるかと思うが、右図で補完するとそこが東プロイセンを半分に分割したラインで、北側は現在のロシアのカリーニングラード州となったソ連はバルト海に港を確保したわけだが、ソ連崩壊後バルト3国が独立しポーランドと共に NATOに加盟したので、ロシアには直接は繋がっていない飛び地となった。

今、対ウクライナ戦争の真っただ中において、ロシアとしてはこの飛び地を「友好国ベラルーシ」と繋いでしまいたい=この赤い線で示されたポーランドとリトアニア国境を支配下に収めたいという欲求が生じてまあ当然だろう。ということで、ここはポーランド側の小都市「Suwałki:スヴァウキ」の名前から「スヴァウキ回廊・スヴァウキギャップ」と呼ばれ NATOのアキレス腱となっており、ロシアのワグネル部隊がベラルーシのこの近くに移動して圧力をかけている。


話がかなり逸れてしまったけれど、今回行くことになるのはこの旧ドイツ帝国領領(黄色の部分)の北部・・・ポメルン(Ponnern9と東プロイセン(Ostpreussen)である。

関連記事

AD space available KNF
JETIC株式会社 SITECH
ImageXpert Ricoh
Konica Minolta Epson
Advertisement Area
ページ上部へ戻る