- 2019-8-4
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この時期の各社の戦略を、11月20日の「インクジェット三国志」で大野が語ります
かつて中国の大判プリンタ展示会は、中国各地で年間約30回開催されており、春節明けの2月末あたりに広州展示会で幕を開け、その後5月半ばにかけてその約7割(20回強)、秋の10月~11月に残り10回弱が開催されるという状況でした。
そんな中で、一つ異質だったのが夏の6月末から7月半ばあたりに開催されていた上海の展示会でした。広州やその他の地方都市で開催される展示会の殆どが「主として中国メーカーが出展する、ちょっと泥臭い」ものだったのに対し、夏の上海浦東の会場で開催される展示会は「HPや VUTEK、日系企業なども出展する、国際色豊かな」ものだったのです。
その後、虹橋に国家会展中心がオープンすると、上海展示会はそちらに移り、かつ開催時期を夏から春に移し、広州と競合する形になりますが、その戦いは上海展示会に軍配が上がったように見えます。
古いデータを整理していたら、なんと15年前、2004年にまだ浦東で開催されていた頃の上海展示会の動画が出てきました!長いので2回に分けて公開します。
浦東の新国際博覧中心のホール W1から W3(後に出展者が増加して W4や W5も使われることになる)を使い、W1は海外メーカーを中心に、中国メーカーでも所謂一流どころが出展する Aランクホールとして位置付けられ、W2や W3にはそれよりは格下メーカーや、W1には輸出向け機を展示して、W2や W3には中国国内向け機を展示する Aランクメーカーなどが出展していました。
動画は、成田からの最終便で浦東空港に到着し、空港のバックリット広告が全てインクジェットであることに驚くところから始まります。動画では分かり難いですが、バックリットへのプリントは濃度も薄く、バンディングやノズル欠によるスジが目立ち、「空の玄関口の広告がこんなレベルでいいのか?」と、その品質基準に驚いています。
翌朝、中国進出当時に大変お世話になった東洋インキ国際部の隅屋課長やスタッフの佐々木さんと同行でタクシーにて会場に向かいます。
会場では、HPのターボジェットや、EFIに買収される前の VUTEK、今は無くなってしまった ENCADなどが見えます。また TECKWIN、FLORAや JHFなど、今は大きくなった中国メーカー群が映っています。
そして中国で初めて当時のコニカヘッドを採用した上海のプリンタメーカーの YASELAN(雅色蘭)ブースを訪問し、搭載機 Thunderbird(雷鳥)を視察し、社長の張さん、営業部長の徐さん、技術屋の蒋さんらと打ち合わせます。
最後には、品質問題で中国市場を失うことになったキッカケとなった XAARの XJ500搭載機が映っており、私がなにごとかを呟いています。
この時点では UVインク機はまだ登場しておらず、館内いっぱいに強溶剤の甘い匂いが充満して時代、YASELANの技術屋の蒋さんでさえ「溶剤ってカラダに悪いのか?いい匂いじゃないか」などと言っていた時代です。しかし、一方で日本の展示会とは全く違って、既に2004年に、これだけの圧倒的な規模とパワーがある・・・それを感じて頂ければと思う次第です。
お宝動画:2004年の上海大判プリンタ展示会(2)に続きます