企業紹介 Introduction:GIS Global Inkjet Systems 英国ケンブリッジ


(↑ 上のロゴをクリックすると GISのサイトが開きます)

英国ケンブリッジに拠点を置く GIS(Global Inkjet Systems)をご紹介します。同社は 2006年に創業者 Nick Geddesと Jim Brottonによってインクジェットヘッドの駆動ボードの開発会社としてスタートしました。現在のマネージングダイレクター(社長)の Nick Geddesは元々はケンブリッジ大学を出て銀行に勤めましたが、若くして一度引退し、その後改めて全くの畑違いのこの会社を立ち上げたという変わり種です。

同社のサイトによると:

  • GISは、幅広い産業用インクジェットプリントヘッドをサポートする、アプリケーションソフトウェア、ドライブエレクトロニクス、およびインクシステムコンポーネントの大手開発メーカーおよびサプライヤーです。
  • 当社の技術は、シングルパス、XYスキャン、3D、およびカスタム設計のシステムで、世界中の何千ものインクジェットプリントヘッドを駆動します。
  • 私達の顧客は私達のプロダクトを彼らの産業用インクジェットプリンターに統合し、迅速なな製品開発のためのプラットフォームとして使用します。

とあり、、現在は駆動ボードのみならず、インク供給系などを含めたインクジェットシステムのコア部分全体をオファーできるように業容を広げており、顧客サイドは目的に応じたメディア供給系・搬送系・乾燥系などを準備して同社のパーツを組み込めば、産業用のインクジェットプリント装置が(比較的簡単に)実現できるというコンセプトを推進しています。

顧客にとっては、そういうものを個別に自力で開発するよりも、本来やりたいこと=プリントして成果物を作り出すことに集中できるというメリットがあります。個々の顧客にとってもそうですが、顧客群全体で考えてみても、膨大な開発リソースのセーブとなっているわけです。

Global Inkjet Systems’ HMB-FD-HV Head Management Board can drive up to four Fujifilm Dimatix Starfire SG600 or four Starfire SG1024.

しかし、何故そもそも、ヘッドの駆動ボードなんて、ヘッドメーカーではなく、独立の GISのような会社が開発する余地があるのでしょうか?自社のヘッドのことを一番良く解っているヘッドメーカー自身が開発して直接供給する方が理にかなっているのではないでしょうか?私も前職でそのように思ったことがありましたが、結局それは無理筋であることが分かりました。

1.個別顧客のケアが大変:単に駆動ボードを開発して売り渡せばいいというものではないのです。顧客はプリンター(プリント装置)を開発したい訳で、それが出来るまでいろいろと細かい問い合わせや追加開発希望を持ち込んできます。そういうものを包含する、出来るだけ将来の拡張性を持たせたフレキシブルなボードを開発しておけばいいのですが、ヘッドメーカーには意外にその発想はありません。

2.日本のヘッドメーカーは大手企業ですが、そこで何かを開発するとなれば、その企画から仕様決定・設計検証・評価云々と、同大なプロセスが待っており、開発完了したころには世の中はもう先に行っているということもよくあります。

3.またハードとしての駆動ボードだけでなく、その上で走るアプリなどは頻繁に手直し要望が持ち込まれます。殆どのヘッドメーカーは日本に拠点を持ち、海外の無数の顧客から英語で持ち込まれるそういう要望に、迅速にレスポンスできるかといえば、残念ながら否です。

4.更に、個々の顧客がやりたいことを、現場に近いところで相談に乗りつつ、カスタマイズするなどというのは、そうでなくても外に出るのを億劫がる日本企業には向かない仕事かもしれません。

5.別の観点では、顧客はいろいろなヘッドを試したいと思っているケースが往々にしてあります。そういう場合、個性の異なるヘッドメーカー供給のハードやソフトを別々に相手をするより、GISのようなワンストップで各社のヘッドに対応してくれる方が便利という側面もあります。

というわけで、このような駆動ボード供給会社は世の中に複数存在していますが、GISはそんな中でも、老舗であり、大手であり、組織的にも最もしっかりしている部類と言えるでしょう。

現在の同社のマネジメントは下記の顔ぶれです。

Nick Geddes
Founder & Managing Director

Debbie Thorp
Business Development Director

Martin Hoather
Chief Operations Officer

なお Nessan Cleary の記事から最近のものが下記にあります。
GIS:Dimatixヘッド用のドライバを開発
GIS:Samba GMAプリントヘッドに対応(対訳付)

日本の連絡先はこちら:
金子明弘
TEL : 080-8043-7371
MAIL : akihiro.kaneko@globalinkjetsystems.com

英国の連絡先はこちら:
Global Inkjet Systems Ltd
Edinburgh House
St. John’s Innovation Park
Cowley Road
Cambridge
CB4 0DS / UK

TEL : +44 (0) 1223 733 733
MAIL : info@globalinkjetsystems.com

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